鼻に噴霧するインフルエンザ生ワクチン フルミスト接種を実施します。
不活化インフルエンザワクチンとの相違点、接種の対象、実施要領など通年のインフルエンザ接種と異なりますので、
下記の説明文をよくお読みいただきご理解のうえ、ご予約ください。
お電話でのフルミストの接種についてのご質問は、一般外来業務に支障が出るため、ご遠慮ください。
- 鼻の中へ吹き付ける、噴霧型のインフルエンザワクチンです。
- 2003年にアメリカ食品医薬品衛生局(FDA)に認可されたワクチンで約20年間のアメリカでの安全な使用実績があります。2011年から欧州でも認可され発売されています。
- 低温で培養し、馴化させた生インフルエンザウイルスは、鼻腔内に噴霧させても、低温でないと増殖できないため、正常体温の人に接種しても、なかなか増殖できず、手間取っている間に、免疫が出来上がるという仕組みです。擬似的に軽いインフルエンザに罹患する形となります。鼻腔内で局所免疫であるIgAを誘導することでインフルエンザウイルスの侵入そのものを阻害し、発症予防効果があります。同時に細胞性免疫をも誘導するためウイルス株が違っても、病気を軽症化させる作用もあります。
- 日本では2024年10月から第一三共が製造販売承認をうけて販売を開始します。
- 通常インフルエンザウイルスは鼻腔から侵入するので、その場所に直接免疫をつけてしまうため、発症予防効果が高い。
- 生きたウイルスで細胞性免疫も作るため、流行しているインフルエンザと株が違っていても発症を軽症化させる作用があります。
- 2歳~7歳で特に効果が高く、発症予防効果83%(国産不活化ワクチンはこの年齢では30%程度)と報告されています。
- 鼻にスプレーするだけで痛くありません。
- 国産不活化ワクチンは3価ワクチン(A型を2株 B型を1株)ですが、噴霧式経鼻インフルエンザワクチンは、今年度から4価(A型2株、B型2株)です。
- 国産不活化ワクチンに比較して効果持続期間が長いことも特徴とされています。
アメリカ合衆国で2013-14年冬季・2015-16年冬季のフルミストの効果が乏しかったことから、2016-17年冬季は推奨しないという暫定的勧告を2016年6月に米国予防接種勧告委員会が出しました。 しかし、この期間も、生ワクチン(LAIV4)は、認可ワクチ ンであり、接種可能でした。続く2017-18年冬季においても推奨しない 勧告が出ましたが、2018年3月からは、米国でもフルミスト接種が推奨されています。
詳細はこちら(PDFファイル)
- 持病のない2~7歳の健康なこどもで、不活化ワクチンをしても毎年罹患してしまう人。
- 注射が嫌いな方。
- 13歳以上からは不活化ワクチンの方が効果が高くなってきますが、ワクチン株と流行株がずれた場合は、フルミストの方が断然効果が高くなります。(現在国内では2歳から19歳未満が接種対象です)。
- 大学・高校・中学受験を控えた方には、持続が長いことから、おすすめかと言われています。(現在国内では2歳から19歳未満が接種対象です)。
- 2歳以上~19歳未満
- 注意:号泣するお子様は、経鼻ワクチン接種は実施できないことがあります。
泣いているお子様の場合、多量の鼻汁によって経鼻ワクチンの接種効果が低下する可能性があり、経鼻接種が実施できないこともあることをご了承ください。
- 年齢制限:2歳未満と19歳以上の方
- 喘息患者:5歳未満の方で喘鳴(ゼーゼー)の歴があった方や、喘息で入院したことのある方、1年以内に喘息発作のあった方。 (当院で経過を診ている患者さんは、診察の上判断しますので、当日不可の可能性もあります。)
- 職務上・生活上で、日常的に免疫弱者と接触する人:
- 高度免疫不全患者(抗がん剤治療を受けている人)に接触する医療者従事者・介護者・ご家族。
- 重症患者治療ユニットに従事する医療従事者
- 悪性腫瘍治療ユニットに従事する医療従事者・介護者
- 慢性疾患をお持ちの方:心疾患、肺疾患、喘息、腎疾患、肝疾患、糖尿病など代謝性疾患、貧血や血液疾患、嚥下障害や呼吸障害を伴う神経系疾患、免疫不全者
- アスピリンを服用中の方
- 過去にインフルエンザにより重篤な合併症を起こした方
- 他の鼻腔ワクチンでアレルギーを起こしたことのある方
- 妊娠中の方
- 授乳中の方も、乳児への感染の心配から、不活化ワクチンが推奨されています
- 重度の卵白アレルギー、ゼラチンアレルギー、ゲンタマイシン、アルギニンアレルギーの方
- 今風邪をひいている人、鼻炎のひどい人
- アレルギー・アナフィラキシーの既往者/特に重症の卵アレルギー患者
- インフルエンザワクチン接種後、過敏反応を認めたことのある人
- ギランバレー症候群にかかったことのある人
- 4週間以内に生ワクチンの接種歴のある人
- 発熱や急性疾患を認めている人
- 40%の人は接種後3日~7日まで、鼻炎になります。
- その他、咽頭痛、咳など、軽度の感冒様症状が数日認める場合があります。
- その他 希なものとしては、ショック、ギラン・バレー症候群など、国産ワクチンと同様です。
鼻汁 | 40~50% |
咽痛 | 5~10% |
頭痛 | 3~9% |
発熱 | 10% |
- 1回接種
- 接種後の過激な運動は避けてください。特にスイミングなどは、控えてください。軽いジョギングなど、通常の生活は可能です。
- 接種した日の入浴は、問題ありません。
- 経鼻ワクチン接種後に、軽い感冒症状を認める場合があります。37度台の発熱、鼻カタル症状(鼻水や鼻づまり)、頭痛、咽頭痛など、気になる症状がある場合は ご連絡ください。
- まれに 急性副反応が起こることがあります。接種後 30分以内に、悪心・嘔気、めまい、意識障害、全身皮膚炎を認める場合は、すぐに医師に連絡してください。
- アメリカCDCは、1シーズンはしっかり持つと述べています。
(通常不活化インフルエンザワクチンの有効期間は4か月程度ですので、フルミストの方が、接種後4か月以降では、どの年齢層においても 不活化インフルエンザワクチンより有効 という事になります。但し、100%ではありません。)
- 生ワクチンですので噴霧式経鼻インフルエンザワクチン接種は、他の生ワクチンとは前後4週間あけて接種をしてください(他のワクチンは制限ありません)。
フルミストに関するQ&A(米の疾患予防センターより)
- フルミストの接種でインフルエンザになることがありますか?
生ワクチンですからウイルスを含んでいますが、そのウイルスが弱毒化されていて、インフルエンザを起こすことはありません。このウイルスは低温環境にて増殖する様にできているため、鼻腔内の比較的低温環境でのみ感染を起こして免疫を獲得するようになっています。 多少、感冒様の症状(微熱、鼻水、鼻づまりなど)が出ることはあります。 - 接種したウイルスが他の人に感染することがありますか?
臨床研究ではごくまれに起こりえます。しかし、フルミスト接種後に濃厚な接触があった場合、他の人に感染を起こす頻度は低く、0.4~2.4%であり、感染したとしてもウイルスが弱毒化されているため、インフルエンザの症状はほとんどないとのことです。 - どのくらいの効果がありますか?
アメリカでの試験的投与で、15~85か月の小児においてフルミストを接種することによって、接種しなかった人に比べインフルエンザの予防効果が92%と報告されています。 成人では大きな臨床試験ではありませんが、接種によって、高熱の呼吸器感染症を19~24%、欠勤を13~28%、受診者を15~41%、抗生物質の使用を43~47%、それぞれ減少したという報告があります。 - 病気中の人が接種できますか?
下痢や発熱のない軽い風邪は問題ありませんが、鼻水や鼻づまりがあると、鼻腔へのワクチンが十分に作用しない場合がありますので、症状が改善してから接種すべきでしょう。 - 免疫機能不全の人はフルミストを接種できますか?
重症な免疫不全の人(造血幹細胞移植をうけた人)は接種することはできません - フルミストの副反応はありますか?
小児では鼻汁・頭痛・喘鳴・咽頭痛・筋肉痛・発熱が起こることがあります。 - フルミストはいつ接種しますか?
できるだけ早くが勧められています。 - 接種頻度・回数は?
・毎年接種することが必要です。
・ 2~19歳未満が接種対象で1回の接種となります - チメロサールが入っていますか?
チメロサールは入っていません。
フルミストに関する動画 及びウェブサイト
こどもの接種風景
- 実際に接種している動画とFAQのリンクです。ご参照ください。
成人の接種風景
アメリカのテレビCMその2
LINK ⇒ アメリカCDCのFAQ(原文)
接種料金
- 1回 8,000円です。
予約方法
- 長所と短所と救済制度について十分ご理解を得られ、接種を希望される方は、WEBで予約がお取りできます。
お願い
当院で予約をされましたら、他院での予約はお控えください。初年度で納品が少ないことについて、ご理解、御協力お願いいたします。
接種期間
- 10月初旬から11月中旬を予定しております。(ワクチンの入荷の状況、使用期限により前後することをご了承ください)
その他ご注意
- 日本で接種されている不活化インフルエンザワクチンより 発症予防効果は優れていますが、100%予防できるとは限りません。
- お電話でのフルミストの接種についてのご質問は、一般外来業務に支障が出るため、ご遠慮下さい。